オーナーに弁護士が就いて金銭請求がなされた事例

事案の概要

　動物病院において、犬の手術を行い、手術は成功し、麻酔からも覚醒したものの、手術日翌日に院内で亡くなりました。オーナーから獣医師に対して、直接、説明が不足していたなどの主張がなされた後、オーナーが交渉を弁護士に依頼したので、弁護士よりオーナーとしては獣医師に対して損害賠償請求する意向である旨の連絡が入りました。 獣医師としては、金銭を支払う理由はないと考えたものの、オーナーに弁護士が就いた以上、獣医師自身での対応は困難と考え、当事務所に依頼をされました。

結論

　本件では、実際にオーナーに弁護士がつき、正式に動物病院に対して損害賠償請求がなされました。これに対して、当事務所より、獣医師の認識、及び法的な観点からも獣医師に損害を賠償する責任はない旨の説明を行ったところ、終了となりましました。
　オーナーに弁護士が就いて、獣医師による説明を求められたり、損害賠償を請求された場合には、交渉段階であっても、法的観点からの主張を適切に行うことが重要になります。
　オーナーの弁護士はオーナーの代理人ですが、同時に法律の専門家であるため、獣医師側から適切な主張を行えば、依頼者であるオーナーに、今後の見通しなど、必要な説明を行ってくれるケースが多いです。その結果、オーナーも訴訟提起等に至る前に請求を諦めることがあります。 オーナーに弁護士が就いた場合には、基本的に、獣医師側でも弁護士を就けて対応することをお勧めします。