獣医師のための問題と対策

スタッフの労務問題

1.はじめに

賃金や解雇、労働条件をめぐる労使の紛争が増えています。病院のスタッフの労務問題に悩んでいる獣医師の方は少なくありません。適切な獣医療サービスを提供し、安定した病院経営を続けていくには、スタッフの労務問題に対応し、解決することが大切です。

2.紛争の予防の重要性

「残業代を請求された」
「問題のある社員を退職させたら、不当解雇だと訴えられた」
「ハラスメントだと言われた」
「勤務態度に問題のあるスタッフがいる」

獣医師の先生方から、こういったご相談をお受けすることがあります。一度、紛争が起きてしまうと、他の労働者に与える影響も大きく、また、解決するためには多くの時間とコストが必要になります。そのため、労使の紛争は、できる限り未然に防ぐ必要があります。紛争が起きる前に、就業規則や労働契約書をきちんと作成しておき、労働環境を整備しておくことが重要です。

しかし、多くの動物病院では、その重要性を理解しながらも、そこまで手が回せていないという現状があると思います。そこで、当事務所にご依頼いただければ、法律や裁判例に照らしても問題のない就業規則や労働契約書を作成し、労働環境を整備し、安心して病院を経営していくお手伝いができると思います。

3.トラブルが起きてしまったら

不幸にして労使トラブルが発生してしまった。そのようなときは、できる限り早く、適正な対応をしなければなりません。スタッフからの求めを無視して放置したり、その場限りのおざなりな対応をしたり、発生した問題に対する対応が不適切なために問題をこじらせてしまい、紛争を拡大させてしまうといったケースも見られます。

まずは、スタッフからの求めが正当なものかどうか、法律や裁判例に照らして検討し、要求に対してどのように対応すべるきなのかを判断して、具体的な善後策を講じる必要があります。

4.最後に

法律や裁判例は、労働者を保護することが重視されており、労働問題が発生したときには、使用者側が厳しい立場に立たされてしまうということがよく起こります。対応を誤ると、場合によっては、取り返しのつかない事態に発展してしまう場合もあります。

トラブルの予防、さらに万が一トラブルが発生してしまった場合にも、弁護士のアドバイスの下で適切な対応をとることが、労使トラブルを解決し、安定した病院経営への近道です。