コラム

未収金回収

書留郵便等に付する送達

弁護士 長島功

 動物病院における未収金回収に際して、任意の支払いがなされない場合には、法的手続を執らざるを得ません。その際のその手続としては支払督促が有用であることは以前のコラムでご紹介しました。支払督促は裁判所より債務者に通知が送られ、債務者がこれを受領することで手続が進み、最終的には債務名義、つまり強制執行が可能となる公的な文書を取得することが可能となります。

 ただ、債務者がこの裁判所からの通知を受け取らず、就業場所等も不明なケースもあり、これを許したのでは受領しない者勝ちの結果となってしまい、著しく不合理な結果となります。
 そこで、こういったケースでも手続が進められるような送達の方法が法律上用意されています。
 これが、書留郵便等の付する送達(付郵便送達)で、民事訴訟法107条に定めがあります。これは書留郵便等を利用して送達をするもので、送達の効果は書留郵便等の「発送の時」に生じるとみなされます。その結果、仮に債務者が受領しなかったとしても、送達済みとして扱うことが可能で、手続を進めることができます。

 もっとも、債務者が書類を受領しない場合に、即この書留郵便等に付する送達ができるかというと、実際には債務者宅に行き、実際にそこに債務者が居住していることを調査して裁判所に報告する等の対応が必要となり、それなりの費用負担も生じます。
 書類を債務者が受領しないケースでは回収可能性はどうしても低くなりがちですので、動物病院における未収金の回収で常に行われる訳ではありませんが、ケースごとに獣医師の先生とご相談の上で対応しております。

 未収金でお困りの獣医師の方は一度ご相談ください。