獣医師のための問題と対策

診療報酬の不払いに関する対応

1.はじめに

未収金の回収はどの医療機関でも発生しうるもので、動物病院も例外ではありません。

ただこの未収金を放置しますと、様々な問題を引き起こす可能性があります。獣医師には応召義務があり、未払いがあるからといって、当然にオーナーからの診療を拒否することはできないのですが、その結果として、未収金の催促が甘い病院には、支払が滞りがちなオーナーが集まってしまうことがあります。また、そういった病院には、前回の診療報酬が未払いであるにもかかわらず、何度も通院をしてくるオーナーが出てきたりすることもあり、そうなれば、スタッフの士気にも影響します。

そのため、その金額にだけに着目して、少額であるからといって、安易に未収金の問題を放置することは危険です。

2.未収金への対応

まずは院内において、未収金の担当者を決め、未収金の管理、つまりいつ、どのタイミングで、どのような方法で催促をするのかということをある程度決めておくことは最低限必要です。

もっとも、なかなか動物病院からの催促を繰り返しても、任意に支払ってもらえる可能性は低く、時間だけが徒に経過してしまうことが多いです。

また、そもそも未収金を請求すること自体、精神的にも負担はあろうかと思います。例えば、経済的に苦しいと申告するオーナーに未収金を請求すること自体、あまり気持ちの良いものではないかと思いますし、病院側に過失がないとしても、オーナの望む結果がでなかったために、支払意思を喪失しているケースでは、オーナーと連絡を取ること自体、避けたいという状況ではないでしょうか。

このようなときには、弁護士へのご依頼を検討いただければと思います。具体的に、弁護士にご依頼いただく場合には、以下のようなメリットがあります。

  • 法的な根拠も示して請求をかけますので、相手に心理的なプレッシャーを与えることもでき、任意の支払いにつながる可能性が高まります。
  • オーナーとの直接のやり取りをする必要がなくなり、精神的な負担もなくなります。
  • 高額の治療費や未収金が嵩んで多額になっている場合には、支払督促等、適切な法的手続きをアドバイスし、弁護士が代理で行います。
  • オーナーとの交渉の結果、分割払いとなる場合でも、できる限りそのリスクを軽減させる合意書を作成し、オーナーに提案できます。

3.費用

動物病院における未収金の特徴は、その金額が比較的少額であることにあります。そのため、上記メリットはあるものの、弁護士に依頼することを躊躇されていた先生も多いかと思います。

ただ、当事務所では、弁護士名での内容証明郵便による催促だけであれば、比較的低額でお受けしておりますし、その件数如何では、さらに金額をお値引きすることも可能です。また、月額2万円~の顧問契約を締結していただければ、回収できた金額より報酬をいただきますので、安心してご依頼いただくことができます。しかも、顧問契約には他にも様々なサービスがあり、未収金の予防に関するアドバイスなども差し上げることができますので、未収金でお悩みの先生は是非一度お問合せいただければと思います。