解決事例

交渉等により解決した事例

合意書を修正の上、再度取り交わした事例

事案の概要

動物病院において、オーナーがペットの診察を受けた後、診療報酬につき分割払いを希望したので、動物病院とオーナーとで話し合いをして、オーナーが一月に払える金額などを確認の上、分割で支払っていただく合意をしたところ、後日、オーナーからやはり分割金額が高すぎて払えないという連絡が入りました。動物病院としては、拒否して、一度合意した金額で張るように請求し続けるべきか、法的手続きに移行するべきか、もしくは分割金の減額に応じるかなど迷ってご相談にいらっしゃいました。

結論

最終的に、動物病院は、再度、オーナーと話し合いの場を持ち、一旦取り交した合意書の内容のうち、分割金額につき、オーナーが支払い可能と考えられる金額に修正の上、改めて取り交わしをすることにしました。

動物の手術費用は高額になってしまうこともあり、診療報酬について分割払いを希望されるオーナーは一定数いらっしゃいます。当事務所では、その様な場合は、必ず分割払いの金額や期間を定めた書面を取り交わすことをお勧めしています。

今回は、その合意書は取り交わしていたのだが、合意書の取り決め通りに支払えないという連絡が入ってしまったケースです。このような時の対応は、診療報酬の総額やオーナーの個別事情に応じて見定める必要があります。

本件では、診療報酬総額がそれほど高額ではなく、病院がオーナーと再度話し合ったところ、オーナーに支払い意思があり、家庭の事情から当初合意した金額での支払いが困難になった話に嘘もなさそうということが分かったので、改めて修正した内容で合意書を取り交わすことで解決を図ることになりました。

このように、オーナーの経済的事情を確認することは非常に重要です。真に経済的に困窮しているオーナーの場合、仮に無理やり高額な分割場合の合意をしたとしても、取り決め通りの金額が払われなかったり、最悪払うことを諦めてしまって一切払われない状態になってしまうことが多いので、合意書は絵に描いた餅になってしまいます。

一定の支払い意思があるオーナーに関しては、無理に高額な分割払いの合意をさせるより多少の長期分割は許容し、現実的に支払いうる金額をよく確認の上、合意書に落とし込む方が回収するという観点からは有用であることも多いです。

他方で診療報酬総額が高額で、オーナーの話が信用に値しないと思われるようなケースでは、ご要望に従って分割金額を減額するよりも、法的手続きをとる方向で進めた方が早期に回収できることもあります。

未収金問題で悩まれた場合は、一度専門家に相談することをお勧めします。