解決事例

判決を得た裁判例

財産開示申立てにより債権回収が実現した事例

事案の概要

 動物病院にてペットの治療をしたところ、オーナーより治療費は後日支払うと言われたので、動物病院から、1週間程度の期限付きで請求書を発行しました。しかし、期限経過後もオーナーから治療費が支払われることはなく、担当獣医師がオーナーに電話で催促をしても趣旨不明の言い訳が繰り返されるだけという事態になりました。
 当該オーナーからの債権回収につき、動物病院よりご相談を受けました。

結論

 当事務所が動物病院の代理人として、まず、オーナーに対して書面で催促を行いましたが、一切反応がありませんでした。そこで、次に支払督促申立手続きをとりました(当事務所のコラム「支払督促 その1」なども合わせてご参照ください。)。オーナーから当事務所に一度、連絡が入ったものの、その後、連絡が途絶え、結局、治療費は支払われませんでした。支払督促申立手続きは進み、最終的に債務名義を得ることができました。

 そして、オーナーに対して財産開示申立て手続きをとりました(手続き概要詳細は「財産開示手続き」)。裁判所からオーナーに通知が届いた後、オーナーより当事務所に対して支払う旨の連絡が入り、その後、実際に治療費全額が入金されるにいたりました。その結果、財産開示申立て手続きの中で実際に財産開示等がなされることはありませんでした。

 財産開示手続きは近年の改正により罰則の強化がなされるなど、非常に厳しい手続きになってきています。財産開示申立てがなされ、通知が届いたのにもかかわらず無視をして、期日に欠席をしたケースでは、逮捕されている事例もあります。そのため、本ケースのように、手続きが進む前に、支払いをして終わらせようとする方も出てきます。

 比較的少額の債権回収であっても、このように適切な法的手続きをとることによって回収が実現する場合もあります。動物病院では、治療費の関係で少額の未収金がたまってしまうこともあるかと思いますので、お困りの際は一度、ご相談ください。