少額債権につき裁判手続きの中で和解が成立した事例

事案の概要

　診療報酬等を支払ってくれないオーナーがいるということで、困った獣医師よりご相談を受けました。オーナーは、収入が高くないという状況だったので、動物病院とオーナーとの間で、分割払いの合意書を取り交わしました。しかし、その分割払いが途中で止まってしまい、動物病院がどんなに催促しても支払ってもらえない状況となってしまっていました。これ以上、動物病院から催促をしても回収は難しいと判断して、ご相談にいらっしゃいました。

結論

　当事務所でご依頼を受け、支払督促申立手続きを行い、通常訴訟に移行したのち、和解が成立して、オーナーから分割払いが開始されるようになりました。

　本件では、まず当事務所からもお手紙を出して、支払いの催促をいたしましたが、オーナーからは一切反応がなく、支払督促手続き申立という手段をとることになりました。（支払督促手続きに関する詳細な説明は「支払督促　その１」などの当事務所のコラムでご紹介しておりますので、お時間がございましたら、そちらを合わせてご参照ください。）

　その結果、オーナーから裁判所に連絡が入り、最終的には裁判所で話し合いを行い、和解により分割払いの合意をすることができました。
　このように、債権者である動物病院や弁護士からの連絡は無視していても、裁判所からの通知が届くと連絡があるという方も多いです。動物病院の未収金にかかる債権は数万円から１０万円程度の少額の債権が多く、これ以上回収のために手間をかけても…と思われる獣医師の先生も多いです。しかし、少額でも、それは、獣医師はじめスタッフが一生懸命、動物の治療を行った対価として、大切なものです。本件のように、少額でも法的措置をとれるケースもございます。

　少額の未収金債権がたまってしまっているなどの状況でお困りでしたら、一度、専門家に相談することをお勧めいたします。