コラム

獣医療訴訟

獣医療訴訟について①はじめに

弁護士 幡野真弥

 医療ミスと疑われる事象が発生すると、ペットオーナーから損害賠償を求められ、民事訴訟となってしまうことがあります。
 そこで、獣医療過誤を原因とする民事訴訟についてコラムを連載し、ご説明していきたいと思います。

 民事訴訟では、原告と被告が証拠を提出し、事実を主張したうえで、裁判所が事実関係を認定し、認定した事実に対して法律を適用して、原告と被告の間の権利関係について判断します。
 
 獣医療訴訟では、ペットオーナーは獣医師に対して、損害賠償を請求しますので、損害賠償責任が発生する事実関係があったのか、損害賠償責任が発生するとして賠償額はいくらかといったことを双方が主張しあい、裁判所で審理していくことになります。

 それでは、どのような事実関係があれば損害賠償責任が発生するのか、法的に「医療ミス」とはどのような場合のことを指すのか、どのような損害が賠償されるのか、といった点について、今後、コラムでご説明していきたいと思います。