コラム

オーナーとのトラブル

飼い主様からの電話による相談について

弁護士 長島功

 人の医療でも見られますが、動物病院でもよく飼い主様から電話での相談を受けることがあるかと思います。
 いつも食べるものを食べてくれない、元気がないようにみえる、呼吸が荒いみたい等、を電話で相談し、このまま様子を見ていて良いかを相談してくる飼い主様はいるかと思います。そういった場合、対応を誤ってしまうと、後々紛争に発展してしまうことがあることから、注意が必要です。

 まず、こういった飼い主様は、もちろん不安になって電話を掛けてきており、病院に連れて行くことなく、獣医師から安心できる言葉をかけてもらうことを望んでいることが多いです。そのため、その飼い主様の意向に沿って、病状を予測し、飼い主様を安心させようと安易に経過観察を促してしまうと、実は重大な疾患や緊急を要する疾患が隠れていた場合、大きなトラブルになってしまうことがあります。
 そこで、こういった相談を電話でされた場合、獣医師としては、対面での診察をすることなく、飼い主様による情報だけで、正確な診断を求められているとシビアに考えた方が良いです。
 もちろん、だからといって、一切電話では病状相談には応じませんと相談自体を断ってしまう必要まではないと思いますが、獣医師の責任で、かなり難しいことを飼い主様には求められているとして、慎重に対応する必要があると思います。そこで、軽症であることが余程明確である場合でない限りは、
 ・仮に病状を予測する場合でも、1つの可能性に過ぎないことをしっかりと伝えた上で、
 ・来院して、直接診察しなければ、正確な判断はできないとして、来院を促す
 という点をお気をつけいただければと思います。