コラム

説明義務 動物愛護法 その他

安楽死について

弁護士 長島功

 獣医療の場面でも安楽死は問題となります。
 そこで、今回は安楽死について解説をしていこうと思います。

1 どのような場合に認められるか
 動物の場合、人医療ほど厳しい条件は課されていないものの、動物愛護法にて、みだりに愛護動物を殺傷することは禁止されていることもあって、安楽死の実施は極めて慎重に判断されなければなりません。
 日本獣医師会の小動物医療の指針11(3)でも、安楽死については、

  「診療対象動物が治癒の見込みがなく、しかも苦痛を伴っている、あるいは重度の運動障害、機能障害に陥っている等、安楽死させることが動物福祉上適当であるとみなされる場合」に「飼育者と十分協議したうえで、飼育者自身の意志、決定のもとに、当該動物を安楽死させることは、許容される」としています。

  そのため、基本的には、
  ①治癒の見込みがないこと、
  ②苦痛を伴うか、重度の運動障害、機能障害があること
  ③飼育者との十分な協議とその同意があること
  が必要になってきます。

 また、同指針では、「その他の理由で安楽死を余儀なくされる場合もあり得る」とも述べており、例えば飼育者の経済的な理由等が想定されているものと思いますが、動物愛護法の精神にしたがえば、里親を探すなどの方法も十分に検討した上で、あくまで最後の手段として、慎重に判断されるべきといえます。

2 方法
 また、仮に安楽死が許容される場面であったとしても、当然のことではありますが、その方法は、動物愛護法40条1項にも定めがあるとおり、できる限り、動物に苦痛を与えない方法によってしなければなりません。
 麻酔等によって、意識を失わせた上で、心機能等の重要な生理機能を不可逆的に停止させるということになろうかと思います。

 安楽死を実施する場面というのは、それ程多い訳ではないかと思いますし、獣医師の先生方からしても上記は当然のことではあるかと思いますが、改めてご確認いただくとともに、オーナー様の意思確認をしっかりと行うためにも、仮に実施をする場合には、書面でも説明の上、オーナー様の明確な同意を得ておくべきといえます。